日程： 2005年12月23日（金・祝）
時間： 13:30〜17:00 （13:00開場）
場所： 大阪大学 中之島センター（大阪府大阪市北区中之島4-3-53）
阪神本線 福島駅より徒歩約9分、JR東西線 新福島駅より徒歩約9分、ほか
詳しくは、下記のウェブサイトをご覧ください。
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/accessmap/index.html
主催： STS Network Japan
共催： 大阪大学コミュニケーション・デザイン・センター
※ 参加費無料。予約は必要ありません。
【パネリスト】
石井敦（東北大学）、平川秀幸（京都女子大学）、他（NGO関係者の参加を交渉中です）
おりしも今月中旬には、WTOの閣僚級会議が香港で予定されています。その準備的折衝が難航していることからも窺うことができるように、グローバリゼーションと呼ばれる時代状況の中、人と物資の国境を越えた移動は激化しており、それを巡る摩擦も多発するようになってきました。 他方で、現在日本がアメリカからの牛肉を輸入再開するかを巡って、思わぬ摩擦が勃発しています。遺伝子組換え作物や牛肉ホルモンを巡る国家間紛争も大きな社会問題になりました。
これらの事例に端的に表れているように、国家間の摩擦の中心的な課題は、近年、大きく変わりつつあります。80年代には、純粋に経済的な問題が摩擦を引き起こしていましたが、近年では、安全やリスクを巡る科学の問題のもつ重要性が大きく浮上してきました。
また、これらの問題は、国家間の問題であると同時に、個々人の生活に直結しており、その点においても、かつての国家間交渉にはなかった特徴を見い出すことができます。今回のシンポジウムでは、科学技術とリスクというSTS的な問題を、国家間交渉と生活のリアリティという両面に着目しつつ論じてみたいと思います。
科学研究に外交の文脈を取り込むかたちで成立してきた「外交科学」とは、いかなるものなのでしょうか。また、国家間交渉においてホットなイッシューである遺伝子組み換え作物とリスクをめぐる問題からは、どのような争点が浮き彫りになってくるのでしょうか。それぞれ、石井敦さん（東北大学東北アジア研究センター）、平川秀幸さん（京都女子大学）より論じていただきます。
また90年代以降、NPOは国家間交渉の主要なアクターのひとつになってきました。NPO関係者（交渉中）からは、科学的、政治的な視点のみならず、NGOが、国家間交渉においてどのような役割を果たし、ミクロとマクロのギャップをどう埋めてきたかについて、話題提起していただく予定です。
最後に、以上の報告を踏まえ、国家間交渉をめぐる科学とリスクという問題をめぐって、活発な議論を繰り広げることができればと考えております。師走のお忙しい時期かと思いますが、皆さまの積極的なご参加をお待ちしております。