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STS Network Japan2002 春のシンポジウム

技能知への視座

日時:2003年3月22日(土) 13:00〜17:30(開場12:30)
場所:東京大学先端科学技術研究センター13号館3階講堂
(最寄駅:小田急線・東北沢駅より徒歩7分、井の頭線・駒場東大前駅より徒歩10分)
なお、会場までの地図は
先端研のホームページをご参照下さい)
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/map/map-j.html

*参加費、事前の申し込みは不要です。
*STSNJの会員でない方もご参加いただけます。

パネリスト

コメンテーター

技能知とは、何なのか。古来、科学は、技術と距離を置くことで、その地位を高めようとしてきた。そういった姿勢は、アリストテレスにおける技術に対する評価の低さなどに、如実に現れてくるだろう。しかし、逆に言えば、技術は、「科学的知識」が芽生える以前から、まさに人間たるゆえんとも言うべき、道具をはじめとしたその能力を拡張する手段を生み出してきた。それゆえ、新たな学知を担おうと息巻いていたアリストテレスは、その当時すでに一大勢力をなしていた職能集団に対して、書き言葉を背景としたいわゆる論理的表現を武器に、差別化を図ろうとした。その後、アリストテレス的な論理思考を源流に持つような科学におけるレトリックが、さまざまな場面で勝利をおさめ、すべての学問が「科学」化されていくなか、当然のごとく技術にかかわる知も科学化され、現在では、科学技術と併置されるほど、密接な関係を持つようになった。

とはいえ、科学と技術の関係というのは、歴史的に見てもそもそもが源流が異なり、決して、技能知は科学知で解消できるものではないことは明らかである。解消できないからこそ、科学は技術を差別化し、その支配下に置こうと策略してきたといえよう。そもそも、技能知の発揮される場と、科学知の発揮される場は異なっており、場の違いのみならず、さまざまな条件が異なっているだろうことは、想像に難くない。

やはり、科学知から見た技能知ではなく、科学知とは性格の異なるはずの技能知をじかに見据え、その本質を見極めなければ、ひいては現代社会に多々発生している技術に伴った問題・事件の分析はできない。日本におけるいわゆるSTS研究が、今までおもに科学教育を担う人々や科学史家から発信されていたため、どうしても、「科学知」の視点からみた「技能知」という語られ方がしてきたように思われる。しかし、現状のSTS研究では、認知科学的な分析はもちろんのこと、やはり科学知から脱却して、そのもの自身へとアプローチしなければならないことは、明白になってきている。

そのような次第で、今回、私どもで、「技能知への視座(仮)」というテーマでシンポジウムを企画し、今までのように科学知から見た技能知ではなく、技能知それ自身とは、はたしてどのような存在なのかを議論する場を設けたいと考えるに至りました。
パネリストとしては、技能知を認知科学のアプローチで精力的に分析されておられます上野直樹さん、エスノメソドロジ−の手法で人間の行為を精力的に分析されておられます西阪仰さんをむかえます。そして、お二人の講演に対して,橋本毅彦さんに技術史家の立場からの応答をお願いしています。さらに、エンジニアの方を招いて、技能知をまた違った側面から見たお話を聞ければと思っております。最後に、以上の報告を踏まえ、技能知をめぐってディスカッションできればと考えております。

お忙しいとは思いますが、なにとぞ、多くのご参加をお待ちしております。


2003年度総会と研究発表会のお知らせ

日時:2003年3月23日(日)(総会、研究発表会とも)
場所:東京大学先端科学技術研究センター13号館3階講堂
*詳しい時間割は、次号のニューズレターでお知らせします。
会場:東京大学先端科学技術研究センター4号館2階講堂
(最寄駅:小田急線・東北沢駅より徒歩7分、井の頭線・駒場東大前駅より徒歩10分)
なお、会場までの地図は
先端研のホームページをご参照下さい)
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/map/map-j.html

*参加費、事前の申し込みは不要です。
*STSNJの会員でない方もご参加いただけます。

午前の部:

午後の部:


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