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STS Network Japan2002 冬のシンポジウム

ユニバーサルデザインの可能性

日時:12月21日(土)13時〜17時40分

※諸般の事情により日程が変更となりました。ご注意ください。
場所:東京大学先端科学技術研究センター4号館2階講堂
(最寄駅:小田急線・東北沢駅より徒歩7分、井の頭線・駒場東大前駅より徒歩10分)
なお、会場までの地図は先端研のホームページをご参照下さい)
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/map/map-j.html

*参加費、事前の申し込みは不要です。
*STSNJの会員でない方もご参加いただけます。

プログラム

(多少、変更される場合があります)

13:00-13:05 開会/シンポジウムの趣旨説明
13:05-14:05 古瀬敏(建築研究所)「ユニバーサルデザインの思想」(報告50分/質疑応答10分)
14:05-14:15 休憩
14:15-15:05 卯月盛夫(早稲田大学)「都市デザインへの市民参加」(報告40分/質疑応答10分)
15:05-15:20 休憩
15:20-15:45 熊谷晋一郎(千葉西病院研修医/肢体不自由)「テクノロジーとの付き合い方」(報告20分/質疑応答5分)
15:45-16:25 木原英逸(国士舘大学)「人工物の権力論:リベラリズム・ノーマリゼーション・ユニバーサルデザイン」(報告30分/質疑応答10分) 16:25-16:40 休憩
16:40-17:40 総合討論

近年、ユニバーサルデザインへの関心が急速に高まりつつあります。
バリアフリーという考え方が、障害者や高齢者を対象として、彼らが日常生活で対面する様々なバリア(障壁)への局所的な対応策を提供しようとするものであったのにたいして(例;段差へのスロープの設置)、ユニバーサルデザインのアイディアは、はじめから、すべての人々にとって使いやすいデザインを作り出そうとするものとして打ち出されました。そこで追求されているのは、多様な利用者の様々なニーズにあったデザインを作り出していこうという姿勢であり、言い換えればそれは、端的に「良いデザイン」を追及しようとする姿勢にほかなりません。
その意味でユニバーサルデザインの思想は、社会福祉といった言葉で括られるような領域に限定されない、より普遍的に適用可能な技術思想を提示しているといえるでしょう。そしてそれは、こんにちにおいて、広く社会のなかでの科学技術のありかたを考えていく上でも、非常に重要な考え方となっていくように思われます。

本シンポジウムでは、そのような観点から、ユニバーサルデザインの思想がいかなるものであり、またそこにはどのような可能性が秘められているのかを探りたいと思います。

当日は、日本におけるユニバーサルデザインの第一人者である古瀬敏氏から、ユニバーサルデザインのアウトラインとその思想としての特質、福祉分野を超えた適用可能性などについてご講演いただきます。
つづいて、市民参加のまちづくりの実践、研究のやはり第一人者である卯月盛夫氏から、ユニバーサルデザインにおいて重要な位置をしめるデザイン過程への多様なユーザー参加の可能性を考える上でモデルとなりうる、まちづくりにおける市民参加のありかたをめぐってご報告いただきます。
また、熊谷晋一郎氏からは、ユニバーサルデザインやバリアフリーというかたちで、本来、社会的な広がりをもつはずの問題が技術的な問題に還元されてしまうことの問題性を認識しながらも、ユニバーサルデザインがもたらす可能性にどのように向き合っていくべきなのか、ということについて、木原英逸氏からは、人々の行動に様々な制約を課すと言う意味で、人工物とは社会的な権力現象が体現されたものであるとしたときに、ユニバーサルデザインが、人工物デザインに埋め込まれた政治性という点においてどのような変容をもたらそうとするのか、もたらしうるのか、といった観点から、それぞれ話題提供していただきます。
最後に、以上の報告を踏まえ、ユニバーサルデザインの可能性をめぐって活発な議論を繰り広げることができればと考えております。

師走の忙しい時期かと思いますが、皆様の積極的なご参加をお待ちしております。


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