参加費: 1泊あたり 一般7,500円 学生6,000円
科学技術と社会との関係が、大きく変わりつつあります。
昨年から動き出した第三期科学技術基本計画では、科学技術への市民参加や科学技術コミュニケータの育成などが盛り込まれるなど、市民と科学を橋渡しする「科学コミュニケーション」の重要性が政策的にも強調されるようになってきました。そしてそのような流れは、日本国内に限定されるものではなく、世界的な動向です。今回の夏の学校では、そのような科学技術と社会との関係の変化を、科学技術をめぐる「信頼」や「正当性」という観点から議論したいと思います。
1999年にブダペストで行われた世界科学会議で、「社会のための科学」という理念が打ち出された背景には、市民社会との開かれた対話を通して、科学研究の「正当性」を確保していくことが不可欠であるという認識がありました。また、科学技術への市民参加においてメルクマールとなった英国上院議会科学技術委員会報告『科学と社会』(2000年)では、「市民との直接的な対話」を通して、BSE問題での失態によって「危機的な状況」に陥ってしまった、科学技術への市民の信頼を回復することの必要性が強調されていました。それでは、日本では「信頼」や「正当性」の問題はどのように考えることができるのでしょうか。日本の状況は、諸外国と似ているようにも、また、かなり違うようにも思われます。
科学技術と社会をめぐる信頼や正当化というテーマには、インフォームド・コンセントなど医療問題をめぐる信頼関係、科学ジャーナルやメディアへの信頼、情報化社会における信頼のあり方、信頼と信用の違い、信頼の定義・歴史など、その他にも様々な角度からの議論が考えられると思います。
科学コミュニケーションに携わりながら、その意味を考えたいと思っている方や、「信頼」や「正当性」の問題について研究されている方、「信頼」という観点からいろんな問題を考えてみたい方など、さまざまな問題意識を持った方々の参加をお待ちしております。また、テーマ以外の研究発表、STSNJ会員以外の方の参加も歓迎いたしております。
なお、開催場所は滋賀県近江八幡となっております。琵琶湖の中にある沖島ば近いことから、夏の学校のオプショナルツアーとして最終日には有志による沖島ツアーを考えております。沖島にはここにしかいない固有種や水草・プランクトンなどが多数生息しているため環境保全にも力を注いでいるほか、「沖島21世紀夢プラン」を策定して、島民の結びつきを生かして地域振興を行っていたりと、STSNJの夏の学校のツアーとしてとても興味深いものとなることと思われます。
1日目(8月3日)
2日目(8月4日)
14:00 集合・受付 14:30〜15:00 開会のあいさつ 15:00〜17:00 中村征樹 「「信頼」から考える科学技術と社会」
江間有沙 「ナノテクとパブリック・エンゲージメント」17:00〜18:30 ワークショップ(ただし、変更の可能性があります) 18:30〜20:00 入浴・夕飯 20:00〜 議論・宴会
3日目(8月5日)
7:00 起床 7:30〜8:30 朝食 9:00〜12:00 【信頼とコミュニケーション】
平井俊男 「理科教育と信頼」
加藤源太郎 「リスクコミュニケーションにおける信頼」
荒川歩 「裁判員裁判における裁判官の専門性・正当性と市民との対話可能性」12:00〜14:00 昼食(各自負担)・散歩 14:00〜18:00 【信頼と市民参加】
中川智絵「サイエンスショップにおける「信頼」について」
中武貞文「産学連携・地域連携を指向したアウトリーチ活動「糸島サイエンスキャラバン」」
図師田聡子「なごや循環型社会・しみん提案会議の取組について」18:00〜19:30 入浴・夕食 19:30〜21:00 総合討議 21:00〜 宴会
*沖島ツアー
7:00 起床 7:30〜8:30 朝食 9:00〜11:00 春日匠 「適正技術再考:民衆科学運動と非-近代科学の正統性という課題を巡って」
夏目賢一 「「信頼」から考える科学技術者倫理教育」
閉会のあいさつ12:00〜 沖島ツアー(**)
◆申込スケジュールなどは、下記の通りとなっております。皆様ふるってご参加くだ
さい。
STS NetworkJapan 夏の学校2007に(参加します / プログラムを送ってください)*
宿泊日(8月3日 4日)※宿泊を希望する日すべてに丸を付けてください
氏名(フリガナ)
性別(男・女)*
連絡先(所属先・自宅・E-mail)*
E-mailアドレス
所属先: 〒
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自宅住所: 〒
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