高度情報社会、インターネットを考えるコンセンサス会議の経過 :第二回コンセンサス会議終了

 木場隆夫(科学技術庁 科学技術政策研究所)




1.最終報告会概要
 1999年9月4日(土)、東京電機大学において、高度情報社会-とくにインターネットを考える市民の会議の最終報告会を終えました。当日、会場には市民パネル、専門家パネル、事務局、一般傍聴者らおよそ60名が来場しました。その他、マスコミの取材もありました。

 最終報告会では、事務局より、趣旨説明、これまでの会議の流れの説明の後、市民パネル代表から、報告書の読み上げがあり、その後市民パネル数名から会議に参加した感想を述べました。
 事務局から中間的な会議の総括を述べました。

 会場との自由討論をはさんで、専門家パネル(5名)lから、会議に参加した感想が述べられました。
 それらの概要については、インターネットのホームページ及び今後作成する報告書をご覧下さい。
 この会議について9月10日、TBSの番組News23で5分ほどニュースとして取り上げられました。

2.コンセンサス会議のNPO設立の呼びかけについて

 9月4日の報告会、終了と同時に若松さんから、コンセンサス会議を今後継続するために、NPOを設立するので、広く意思のある方には賛同をお願いしたいという呼びかけがありました。その呼びかけ文を以下に示しますので、STSネットワークの方で、あるいは知人の方で興味ある方はご参加下さい。






科学技術への市民参加を考える会設立へ向けて
発起人・会員募集


 コンセンサス会議に関わり、あるいは興味を持って下さった皆さん、
「科学技術への市民参加」研究会は98年に関西で開催した第1回コンセンサス会議に引き続き、99年5月から9月にかけて、第2回コンセンサス会議を開催しました。そして、9月4日に成果を報告する公開シンポジウムを開催しました。
 その公開シンポジウム閉会後、研究会有志は「科学技術への市民参加を考える会」の設立を呼びかけ、多くの方からご賛同を頂きました。
 ここにあらためて、会設立の趣旨・呼びかけ(案)をお送りします。そこに、なぜ私たちがこのような呼びかけをするか、また、この会で何をしようとしているかを読み取っていただけることと思います。是非、多くの方に会の発起人あるいは会員になって下さるようお願いします。
 発起人あるいは会員になって下さるかたは、その旨、ご連絡くだされば幸いです。多くの方々のご参加を得て、11月23日に設立総会を開き、会を発足させて頂く予定です。どうぞ、よろしくお願いします。

「科学技術への市民参加を考える会」設立準備のための世話人 若松征男

連絡先:〒350-0394 埼玉県比企郡鳩山町石坂
東京電機大学理工学部 若松征男
Tel 0492-96-2911(内3310) Fax: 0492-96-5132
e-mail: wakamats@i.dendai.ac.jp



科学技術への市民参加を考える会 設立趣意・参加呼びかけ

 1999年10月10日

 科学技術へ市民が参加するために、どのような場や方法を組織すればいいのか、という問題意識のもとに、「科学技術への市民参加」研究会は、市民参加の「一つの」方式として、コンセンサス会議を2回にわたって開催しました。第1回「遺伝子治療を考える市民の会議」は、98年1月から3月にかけて関西圏で開催しました。第2回「高度情報社会――特にインターネットを考える市民の会議」は、99年5月から9月にかけて、東京電機大学鳩山キャンパスを会場として開催しました。
 こうして行ってきた「市民の会議」は、研究であると同時に、社会への提案、「科学技術への市民参加」方式の提案でもあります。この2回の経験を通じて、日本においてもこの方式は十分使えることが見えてきたと考えます。もちろん、その運営方法については、どのようにするのが適切であるかについて、さらに検討することが必要であることは言うまでもありません。例えば、これら2回の会議は、デンマークで生まれ、各国で試みられている標準方式をすべて満たしてはいません。それは、資金など、さまざまな制約を受けながら会議を開催してきたからです。
 こうして、コンセンサス会議を日本において用いる(科学技術への市民参加を推進する)可能性が見えてきましたが、研究会の有志メンバーは、「後は社会の皆さん、あるいは責任ある立場の方々、どうそお考え下さい」として、事を終わらせることはできないと考えるようになりました。つまり、研究の世界からもう一歩足を踏み出して、現実との関わりをさらに持つことが、一般市民の方々を巻き込んで「研究」を行ってきた研究者としての社会的責任ではないか、と思ったのです。この思いを9月4日の公開シンポジウムの終わりに参加者にお伝えし、これまでの経験・実績をもとに、社会に向けて、コンセンサス会議方式を採用するよう働きかけるためのNPO、「科学技術への市民参加を考える会」設立を呼びかけました。コンセンサス会議(そして他の参加方式)をさらに社会に提案していくためには、研究のための一時的組織ではなく、継続して行動する組織が必要であると考えるからです。
 この呼びかけに、専門家パネル、市民パネル、そして他の参加者の方々から多くの賛同をいただきました。これらの方々にも、設立発起人となることをお願いし、ここに会を設立します。多くの方々が参加してくださるよう、ここに呼びかけます。
 この会の目的、活動、組織、参加申込み、設立総会は次の通りです。


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目的:この会の目的は、科学技術への市民参加を推進し、(広義の)社会的制度とすることであり、そのために、次のような活動を行なう。


活動:
1) 科学技術への市民参加の一方式として、コンセンサス会議を採用するよう、社会の各セクターに働きかける。
2) コンセンサス会議運営を行なう組織としてのノウハウを蓄積し、開発する。
3) なお、「科学技術への市民参加」を図る、異なった方式についての研究も行なう。
4) 上に示した3項の活動のために、ワークショップ、シンポジウムなどの会合を開く。
5) 会の活動を示す会報を年3回あるいは4回程度発行する。会報は印刷するが、電子メールを使える会員には、電子メールによって配信する。また、できれば、会のホームページをもつ。
6) 具体的にこの会の目的に沿ったプロジェクトを立ち上げ、動かすときは、それぞれ実行委員会を作って行なう。


 組織:この組織は、上に掲げた目的に賛同する市民、科学技術活動に関わる実務家・専門家、研究者によって構成される。組織の活動費用は、会員の拠出する会費(例えば年3000円)で賄う。また、会の趣旨に賛同する組織・機関等の寄付を募る。上の6に示したように、個々のプロジェクトはそれに賛同する人々(当然、この会の会員以外も含むことになる)によって担われる。これで分かるように、この組織は当面、かなりゆるやかなものとする。
 なお、会の運営は、運営委員会(10人)を作って行う。この委員会には代表、会計、監査などの役割をおく。

 個別のイシュー(個々の課題、問題)ではなく、市民参加の方式なお、次の点は強調しておきます。それは、この組織で課題にしようとしているのは科学技術に関わる個別の課題、イシューではありません。市民参加の方式としてコンセンサス会議を社会に制度として受け入れて貰うことです。これは、個別のイシューを扱うのと比べ、いささか抽象的で困難な課題ですが、それをこそ、目指したいと願うのです。
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参加申込み:この会に参加を希望される方は、下記連絡先まで、手紙、電子メールでお申し込みください。

設立総会:この趣旨に賛同される方々の参加を待って、会の設立総会を
11月23日(火曜)午後1時から
開催します。

設立発起人(アイウエオ順):……石川伊織・石塚正英・鏑木孝昭・木場隆夫・塚原修一・若松征男
連絡先:〒350-0394 埼玉県比企郡鳩山町石坂
     東京電機大学理工学部 若松征男
Tel: 0492-96-2911(内3310) Fax: 0492-96-5132
e-mail: wakamats@i.dendai.ac.jp




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